2010 ORS, AAOS

海外渡航記2010 ORS, AAOSに参加して

H17年卒 大学院 崔 賢民
2010年 アメリカ ルイジアナ州 ニューオリンズにて開催されたOrthopaedic Research Society(ORS) 及び American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)に参加しました。世界で最も大きな整形外科学会の1つであり、世界各国から総勢数万人が参加するため、町全体が学会の雰囲気で包まれます。歩道にはORSやAAOSと書かれた旗や看板が掛けられ、専用のシャトルバスが町中を走り回ります。昨年はラスベガスでの開催で、ショーとカジノの街が学会の空気で包まれ異様な雰囲気であったのをよく覚えています。帰国時に空港での英語のやり取りがうまくいかずに、帰国便乗れなかった苦い思い出もまだ残っています。
今回の開催地、ニューオリンズは言わずと知れた音楽の町です。小さな町でしたが、メインストリートのバーボン通りには多くの料理店やバーが並び、明け方までJazzの音楽が響き渡ります。幸か不幸かバーボン通り沿いのホテルに泊まった私たちは、ホテルの中にまで響き渡る音楽と歓喜の声を一晩中堪能し、ニューオリンズの夜を半ば強制的に楽しみました。朝方、ようやく宴が終わったかと思うころ、時差ぼけと騒音でぼーっとしている頭を強烈な清掃車の音が起こします。学会場へは徒歩で約30分程度かかるため、一度は散歩がてら歩いてみましたが、歩道に飲み散らかされた酒の酸っぱい強烈なにおいで気分が悪くなり、それ以降はシャトルバスかタクシーを使うことになりました。
ORSとAAOSでは発表の内容はもちろん雰囲気もコロッと変わります。ORSは基礎の学会であるため、発表者も参加者も基礎系の人が集まります。会場内は、発表内容に興味を持つ人たちが少数集まり、発表者と活発な議論を交わします。AAOSは臨床の内容であるため、会場はORSの数倍に広がり、参加者も随分増え、会場内は人でごった返します。内容はORSよりもLectureやSymposiumといったものが多く、現在アメリカで行われている治療方法についての壇上での活発な議論を、参加者が聞いて学ぶといった形式である印象を受けました。
ORS、AAOSともに口演発表が採択されるのは難しく、AAOSではポスター発表すらなかなか通りません。今回私はORSのポスター発表でしたが、横浜市大整形外科からはAAOSの口演発表が1題、ポスターが1題、ORSのポスターが12題採択されました。ORSのポスター会場内には飲み物や軽食が用意されており、ワインを片手に、自分の発表に興味を持ってくれた人達との有意義な交流を持つことができます。ほろ酔いで話も弾み、何人かの若いドクターと連絡先の交換もしました。口演発表は単刀直入で、おかしな内容は座長からビシバシ指摘が入ります。AAOSで発表のあった小林先生はなれたもので、いくつかの質問にも難なく返答していましたが、私と同年代くらいの日本からの先生は、質問に対して十分な答えができず、言葉の壁に悔しそうな表情を浮かべていました。
私たちがやっている診断や治療、研究は第3者の目から見ても確かなものでなくてはないため、学会にて発表することは大きな意味があると思います。今回ORS、AAOSに参加し、諸国の先生の発表を聞くことができたのは本からは学べない先進を知る機会となり、意見交換は貴重なアドバイス、モチベーションとなりました。もちろん言葉という壁がまだ私にはありますが、今後もこのような国際学会へ積極的に参加していけたらと思います。