ボストン留学記 根津 悠

2020-04-16 Administrator

初めての投稿になります。

平成19年度横浜市立大学卒業の根津 悠 (ねづ ゆたか) と申します。

今年の3月11日, 3年間の海外留学を終え本帰国致しました。本来ならば, 留学中にタイムリーに留学記としてこまめに投稿すべきでしたが, 留学を終えた時点での投稿となってしまい申し訳なく思っております。


 私は, 2017年3月下旬よりアメリカのボストンにあるBeth Israel Deaconess Medical Center (BIDMC) Kun Ping Lu教授の研究室に川端先生の引き継ぎという形で開始し, 3年間留学をさせて頂きました。BIDMCHarvard Medical Schoolの関連病院, 研究施設の一つであります。私の研究室には, Cancer, InflammationそしてNeuroscienceのチームがあり, 私はInflammationのチーム (チームとは言っても最初の2年間は1人でしたが…) で研究をしてきました。私の研究室は建物の中でも比較的大きい方で, 所属していた3年間でのべ19人のポスドクが在籍していました。ボスが中国人ということもあり中国人が多かったですが, 日本, 台湾, 韓国, トルコ, オーストラリア, ベルギーなど多くの国からポスドクが集まっていました。ボスは日本人の勤勉なところを非常に好んでおり, 自然とそれに応えざるを得ない形で3年間通して比較的ハードワークを継続しました。3年間でWestern Blottingで流したゲル500枚以上, 免疫染色で染めたスライド500枚以上, 動物実験に使用したマウス500匹以上 (マウスさんごめんなさい) と全力疾走したつもりですが, 最終的な論文化までにはまだ少々時間を要する見込みです。


 ここでは私の3年間のボストン生活をざっくばらんに写真とともに振り返らせて頂きたいと思います。

 ボストンは約70万人の都市で, 市内には電車も通っており, スーパーや飲食店も徒歩圏内に数多くあり, 非常に住み易く, また非常に治安の良い街です。アパートメントが多く, アメリカ生活でイメージする様な家が広く, 庭があり, プールまで付いていると言った感じではなく, 日本のマンションのイメージに近いところに私は住んでおりました。渡米後まず行ったのは, 何もない部屋のセットアップでした。主にIKEAで家具を揃え, 白を基調とした居心地の良い部屋にすることが出来ました。すべての家具を自分で組み立てて, 手に豆が出来, 皮が剥けたのも良い思い出です。



 ここから徒歩で20分かけて毎日研究室に通っていました。幸いにも住んでいるエリア, 研究所があるエリアともに非常に治安の良い場所で, 実験で遅くなり深夜に歩いて帰っても身の危険を感じたことは一度もありませんでした。


 私の研究室は中国人の夫婦がPrincipal Investigator (PI) で, 時に激しく議論を交わしはしましたが, 3年間温かくサポートしてもらいました。研究室のポスドクたちはとても仲が良く, 月に1回は誘い合ってアメリカンなバーや日本居酒屋に飲みに行っていました。


 またボストンはハーバード大学, マサチューセッツ工科大学やボストン大学など多くの大学, 研究施設が集まる学術都市であり, 多くの日本人が留学に来ており, 様々な日本人研究者, 医師のコミュニティーがあります。中でも整形外科医の集まりである「ボストン日本人整形外科医の会」では, 3年間で多くの他大学の整形外科の先生と知り合うことが出来ました。それぞれ専門分野, 研究分野の違う先生方と飲みながら話したことは, ボストン生活の大きな良き思い出の一つです。またボストンにはCadaverで定期的に医局の先生がトレーニングに来られており, 多くの先生と再会出来ましたし, 様々なFellowshipで日本の整形外科の先生が来られ知り合いになれたのも, 大学や病院が数多くあるボストンならではの経験であったと思います。


 ここからは少しプライベートな振り返りをしたいと思います。
 ボスは仕事をしっかりやっていれば, 長短問わず休みは快く (?) 許可してくれたので, 3年間で多くの旅行をすることが出来ました。中でも最も旅行したのはニューヨークでした。(急げば) ボストンから車で片道3時間半で着くのをいいことに, 1泊か2泊で計8回行きました。。。最初の数回でいわゆる観光名所はあらかた回り終わり, 残りはステーキとお寿司とラーメンを食べに行く目的だけで行ってました。


 そして中~長期休暇を利用し, ナイアガラの滝やバーモント州の紅葉, 西海岸でグランドキャニオンやアンテロープキャニオンなど, 日本では経験出来ない壮大な自然を味わいに行ったり, ベタにDisney WorldDisney Cruzなどにも行き, 家族と共にアメリカ生活を満喫させて頂きました。


 ボストンには, アメリカ4大スポーツ (NFL, MLB, NBA, NHL) 全てのホームチームがあり, またサッカーのプロチームもあり, 非常にスポーツが盛んな街でもあります。MLB, NBAそしてサッカーの試合を観に行くことが出来, また私自身もボストンのアマチュアのサッカーリーグで年に春と秋のリーグ戦に参加し, 毎週末フルコートのガチンコサッカーの試合をしていました (留学中, ハムストリングの肉離れと足関節捻挫をし, それぞれ1ヶ月程度足を引きずりながら研究室に通っていました…)。


 また日本ではあまり体験出来ないアメリカならではの季節ごとのイベントも多くありました。Halloweenのシーズンにはスーパーの店頭に大量のパンプキンが並びます。それを購入し, 各家庭でくり抜いたり, 切ったりして「ジャック・オー・ランタン」を作ります。クリスマスのシーズンには, ツリーピッキングに行き自分でモミの木を選び伐採し, 車に積んで持ち帰り, オーナメントを飾りつけします。この様な多くのイベントを家族と一緒にしたことも留学生活の大きな思い出です。


 私は大学院の3年間, そして海外留学3年間と計6年間医局を離れてしまい, 医局の後輩の先生方を良く存じ上げず, また若手の先生方も私をご存知の人は少ないかもしれません。後半はほぼ遊び回っていた感じの投稿になってしまいましたが, 私にとって大学院で研究したこと, 海外留学で学んだこと, 家族と共に経験したことは, 掛け替えのないものとなりました。今後, 大学院進学や海外留学などを考えている先生がいらっしゃいましたら, 研究のことや留学のことについて少なからずアドバイスを出来るかと思いますので, 私で良ければ是非連絡して下さい。相談に乗らせて頂きたいと思います。
 最後になりましたが, 留学, また1年間の延長まで許可して頂いた稲葉教授, 齋藤前教授, そして長期に渡り医局を離れご迷惑をお掛けしている崔医局長をはじめ医局員の皆さまに, この場を借りて感謝致します。貴重な場を与えて頂き, 何にも代えがたい経験をさせて頂き, 本当に有り難うございました。